■ 抄録・要旨
| 発がん性の疑いが指摘されている多環芳香族炭化水素類(PAHs)は埋立地浸出水から検出されており、埋立地の安全を保障するには、特に焼却残渣に含まれるPAHs量を把握することが重要である。そのため、主灰中のPAHs含有量を測定する時に使用する種々の溶媒が回収率に与える影響について調べた。
主灰試料に11種類の重水素化PAHsをサロゲートとして添加し、ソックスレー抽出を行った。アセトン/ヘキサン(1:1,V/V)、ジクロロメタン、トルエン/メタノール(20:1,V/V)の3種類を抽出溶媒として使用した。ナフタレン等の低沸点のPAHsに対してはアセトン/ヘキサン(1:1,V/V)が回収率の面で有効であった。クリセンのような高沸点成分についてはトルエン/メタノール(20:1,V/V)が有効であった。主灰のTOCの違いが回収率に与える影響は明確ではなかった。
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